日本テレビ「上田と女が吠える夜 2時間SP」で、兵庫県宝塚市出身の元飛び込み日本代表の馬淵優佳さんが、
「兵庫県の人は、ほんまにヒョウ柄を着てないです!」
と断言していました。
西の物欲モンスターこと、ハイヒールのお二人(モモコとリンゴ)は
「着てるて!」
と反論していましたが、実際はどうなのでしょう。
今回は、事の真偽と、大阪のおばちゃんの、ヒョウ柄事情などを合わせて調べてみました。
兵庫県民のヒョウ柄購入は?
ちょっと古い資料ですが、2016年9月に、ZOZOTOWNが、
「日本一ヒョウ柄を買ってる都道府県民ランキング」を発表しています。
それによりますと、第1位は「埼玉県」という意外な結果となっています。
埼玉県民は、他県民よりも単価の高いヒョウ柄アイテムを購入していて、年間購入金額も圧倒的に高いようです。
第2位は「大阪」。断トツ首位ではないものの、やはり強さを発揮しています。
そして、第3位は「岐阜県」がランクイン。続いて第4位に「東京」、第5位に「福岡」という結果となりました。
全体的に上位には、都市部やその近郊が多くランクインしているようですが、気になる兵庫県は、、といいますと、
32位‼
(期間:2015/8/1~2016/7/31の1年間)
大阪府に隣接していますが、かなり低いですね。
これは、あながち馬淵さんの主張も嘘じゃないな、と思いましたが、ただ、大阪の第2位は本当に意外な結果だと思います。
もっとも、このランキングは上記の期間中におけるZOZOTOWN利用者が対象で、その平均年齢は「32.9歳」という事ですから、
少なくとも「大阪のおばちゃん」を含む、地元の商店街で爆買いするような方の消費行動は反映されていないと言って良いでしょう。
しかし、そもそも「大阪のおばちゃん」は、なぜヒョウ柄ファッションを好むのでしょうか。
ちょっと気になったので、軌道修正して調べてみることにしました。
派手=かっこいい、目立ってなんぼの文化
お金持ちに見えるヒョウ柄
番組でも若槻千夏さんが、しきりに話していましたが、
大阪のおばちゃんは新しい服を買うと、「これ、なんぼやと思う?」と決まって家族や友達に聞くのだそうです。
大阪は言わずと知れた商売の街、物を買うときには「いいものを安く」「高くていいのは当たり前」という意識があり、高そうに見えるものを、安く買うことへの満足感が大きいといいます。
そんななかヒョウ柄は、最高級のお金持ちファッションのイメージである「毛皮」の、いってみれば廉価版。
毛皮より安いのに、お金持ちに見えるという理由で好まれる傾向があるんだそうです。
東京では、さりげなく力の抜けたおしゃれが上級者という意識がありますが、大阪は真逆。
たとえばブランド物でも、ロゴが大きく入ったものや、一目でどこのブランドと分かるものが売れるそう。人から見て分からないものにお金をかけることはムダなことで、
「なにすましとんねん」ということになるそうです。
つまり嫌でも目立つ、主張の強い派手なヒョウ柄は、大阪の「おしゃれ」に当てはまるわけです。
服装に留まらないヒョウ柄アイテム
大阪では洋服や小物に留まらず、インテリアにもヒョウ柄を使用しているおばちゃんが多いそうです。
いくら埼玉県民が一番ヒョウ柄を買っているとはいえ、大阪のヒョウ柄商品の取り扱い量は埼玉とは比べものになりません。
日々目にしているため、ヒョウ柄への抵抗や違和感も少なくなって、むしろヒョウ柄にしておけばおしゃれは大丈夫、と安心感を持つ人さえいるそうです。
ただ、近年は少し様子が変わってきているようです。
それは、かつて商店街を闊歩していた、ヒョウ柄を身にまとったおばちゃんが激減しているのだとか。
一体、何が起こっているのでしょう。
ヒョウ柄が絶滅危惧種に
昨年の11月、NHKの関西ニュースWEBで、やはりヒョウ柄の激減ぶりについて報道しています。
それによると、大阪・旭区の商店街で1時間以上待って、ヒョウ柄を着た人に会えたのはわずかに一人。しかもその方は大阪の人でも何でもなく、東北出身で、子供からのプレゼントなので、仕方なく着用しているとのことでした。
ただ、通行人にアンケートをとったところ、50人中17人がヒョウ柄を所持しているという事が判明し、決して少なくない人が、持っているけど着ていない、という事実が明らかになりました。
理由を聞いてみると、「高齢なので」「飽きたから」などの答えです。
これはどういうことでしょうか。
そもそもヒョウ柄ブームのピークは70~80年代。
大阪の百貨店が、舶来の一着10万円以上もするアニマル柄の服を売っていたのを、商魂たくましい大阪商人が、似たデザインで安売りしたら爆売れした、というのがブームの始まりらしいです。
ただ、その時の購買層も今や高齢、さすがに派手な衣装も着れなくなるし、外出も少なくなることが予想されます。
と、いうことは、大阪のおばちゃん達にも世代交代の波が訪れ、近年のおばちゃんたちは、決して昔のようにヒョウ柄を愛用していない、という事なのでしょう。
商店街の、某老舗婦人服店のオーナーがこんなことを言っています。
「大阪のおばちゃん=こてこてヒョウ柄ファッションみたいな報道がテレビで盛んに流れましたやろ?
それでまず、若い世代が『ヒョウ柄を着たら、大阪のおばちゃんみたいやん』と嫌悪感を示し始めたんです。」
するとそれが中年世代にも伝染し、絵に描いたような大阪のおばちゃんまでもが、『大阪のおばちゃんに見られたくない!』とヒョウ柄を敬遠するようになった」(笑)
そういうこと気にしないのが「大阪のおばちゃん」のいいとこだと思っていたのですが。
何だかちょっと、残念に思うのは私だけでしょうか。。
まとめ
ZOZOTOWNのランキングを見る限り、ヒョウ柄服については、馬淵さんがおっしゃるように、兵庫県では、さほど着用している人は多くないようです。
それどころか、大阪でも今や絶滅危惧種に当たることが判明しました。
そこにあるのは、「大阪のおばちゃん」に見られたくない、という意識。
先述の商店街のあるお店では、猛獣柄を前面に押し出しながら、およそ1万2000点もの品物を置いていますが、10年ほど前までは、客は殆ど地元客だったものが、今では3割程度。
お店で購入していく人の大半が観光客だといいます。
着こなしには、よほどの勇気と覚悟が必要になった、かつての「かっこよさ」の象徴「ヒョウ柄」。
番組を見ていて思いましたが、凋落の背景には、視聴者を爆笑させるハイヒールのお二人のような、「こてこての」おばちゃんの存在が、あるからかもしれませんね。
自分は、見ていて本当に楽しいし、ハイヒールのお二人は本当に好きなんですが。。
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