5月6日のTBS系『マツコの知らない世界』は、”地元民に愛されるローカル飲食チェーンの世界” というお題で、
地方の様々なローカルチェーンが紹介されるようです。
中でも、マツコさんが『おにぎりでこんなデカい店構え⁉』と驚いていた、三重県を地盤とする、”こだわりおにぎり” のローカルチェーン、
『おにぎりの桃太郎』は、5月8日の日本テレビ系『秘密のケンミンSHOW』でも取り上げられるなど、今や様々なメディアに登場する、話題のお店となっています。
何故ここまで騒がれるのか、今回は、この『おにぎりの桃太郎』に迫ってみました。
会社概要
社名 | 株式会社おにぎりの桃太郎 |
設立 | 1976年6月 |
代表取締役 | 【会長】上田輝一 【社長】上田耕平 |
資本金 | 1000万円 |
本社及び工場 | 三重県四日市市久保田1丁目6-54 TEL.059-352-2195 |
直営店 | 16店舗 |
従業員 | 160名 |
公式サイト | https://onigiri-momotaro.jp/ |

出典:グーグル
現会長で創業者の上田輝一氏が、家業の寿司屋になじめず、心機一転、単身渡米した際に、アメリカのドライブインやハンバーガーショップに感銘を受け、
ハンバーガーに代わる日本のファストフードは「おにぎり」であると直感、寿司屋の玄関横に作ったわずか1.5坪の販売スペースがはじまりです。
その後、「おにぎり」販売に手ごたえを感じ、出店を重ねた結果、現在では16店舗を構えるまでになりましたが、
その9割近くの14店は四日市市内にあるという、超極端な地元重視の出店政策です。
四日市市は、三重県内では県庁所在地の津市を凌ぐ、最多の人口30万人を誇りますが、それでも14店舗は多いですよね。
物流コストは抑えられるでしょうが、自社競合とかしないのかな、、って思っちゃいます。
同社のこだわり
ホームページを拝見しますと、『おにぎり桃太郎』には、米、水、火力、ほぐし(塩〆)、冷やしと、おにぎりを作る工程において5つのこだわりがあるそうです。
簡単に紹介しますと、
- 【お米】使うお米は、三重県農業研究所が、12年の歳月をかけて作り上げたブランド米。冷めても美味しいのが最大の特徴
- 【お水】水浄化技術に信頼と実績のあるメーカーの浄水器を使用
- 【火力】標準的なガスバーナーの2倍の火力で一気に炊き上げる
- 【ほぐし(塩〆)】シャリ切りの際に、尾鷲海洋深層水のミネラル分をたっぷり含んだ塩を振りかけ、一粒一粒に塩コーティングを施す
- 【冷やし】炊きあがったご飯を「シャリクーラー」で一気に人肌まで冷まし、鮮度と美味しさをお米に閉じ込める
といった内容。
こうして作られたおにぎりは、米粒一つ一つが立っていて、それでいて微妙に空気を含んでいるから、口の中に入れるとホロっと解けていく。
解けていく中でお米の甘み、旨味がしっかり感じられ、具材ともマッチした絶妙な美味しさを味わえるんだとか。
また、同社は、『社員の幸せを創り、本物のおいしいを創ります』を経営理念に、女性社員が多く、温かい社風が特徴です。
味もさることながら、「お母さん企業」として、
その代名詞ともいえる「おにぎり」が、市民に愛されているのも分かるような気がします。

出典:グーグル
社名の由来
これはちょっと面白くて、先代社長が、”おにぎりと言えば桃太郎、、”と勘違いしたところから生まれたんだそうです。
恐らく、『おむすびころりん』や『さるかに合戦』などと混同されたんでしょう、
桃太郎が鬼退治に持っていったのは、きび団子ではなく、おにぎりだと思っていたんだとか。
誰も突っ込まなかったのか、、と不思議に思いますが、
本社でもある久保田本店のシンボルタワー、大きな桃のオブジェからは、定刻になると、おにぎりにかぶりつく桃太郎が現れる ”開き直り” よう。
おかげで四日市市民に「桃太郎」という話題だけ振ると、誰もが知る昔話ではなく、「おにぎりの桃太郎」として話が進むそうです。
ある意味、それほどまでに「おにぎりの桃太郎」は、四日市市民の心に浸透している、まさにソウルフードともいうべきものなんですね。
ちなみに、桃太郎が現れるのは、午前8時、10時、12時、午後3時、5時の計5回。
ただし、風速が20m/秒の時は、安全性を考慮して登場は自粛されるようです。
メニュー
ホームページに掲載している「おにぎり」は全部で17種類。
一番人気と言われる『味(200円)』は、鶏肉の炊き込みご飯。具材が大きめにカットしてあり、ごぼうや椎茸の食感も楽しめるそう。
また、『結びの神』という三重県のブランド米そのものの美味しさを味わえる『塩むすび(140円)』や、うま過ぎと評判の、唐揚げが丸ごと1個入った『とりカラ(220円)』、
脂ののった銀鮭をていねいに焼き上げた、人気ナンバー2の『さけ(220円)』など、
内容はオーソドックスなものが多いものの、
中に入れる具材が大きく、しっかりと存在感を示すため、お米の旨味とも相まって、最後まで美味しく頂ける絶妙の「おにぎり」となっているようです。
多分、子どもさんを意識しての事なんでしょうね。
メニューラインナップにしても、変わり種よりも、昔からある、お母さんが握ってくれた「おにぎり」をイメージしているように思います。
おにぎりBOXやお弁当なども、運動会やら学芸会などを想定しての商品化でしょうし、
最初は何のことか分かりませんでしたが、
ネットで注文したおにぎりでも、雨天の場合は当日キャンセルもOK!、、なんて対応は、そのこと以外に考えられません。
子どもたちだけでなく、お母さんにも優しい配慮を見せる、正に「お母さん企業」なんですね。
尚、おにぎり以外にも、店内調理品として、うどんや丼物、甘味に朝食セット・夕食セットなんてメニューも用意されています。
提供する店舗によって内容は異なるかもしれないので、行かれる際にはご注意ください。

出典:グーグル
まとめ
今回は、『マツコの知らない世界』で紹介される、三重県四日市市のローカルチェーン、『おにぎりの桃太郎』は、
〇人口30万人の四日市市に14店を構える、超地元密着型の「お母さん企業」でした。
〇同社の「おにぎり」のこだわりは、米、水、火力、ほぐし(塩〆)、冷やしという、5つの行程にあります。
〇『おにぎりの桃太郎』の社名は、創業者の父親の、”おにぎりといったら桃太郎” という勘違いから生まれました。
〇おにぎりはオーソドックスなものが多く、対応に関しても、子どもや家庭に寄り添う同社の社風が感じられます。
本ブログでは、いろいろな店舗をリサーチしていますが、
つくづく感じるのは、地元民に愛されないと、お店の永続はあり得ないな、という事です。
肝に銘じておきたいと思います。
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