ブラインドサッカー、大会展望と日本代表チームの注目選手を紹介!

NHKの「サラメシ」で、合宿中のブラインドサッカー日本代表チームの様子が紹介されました。

今回は、パリ・パラリンピックで、メダルの期待のかかる同競技の展望と、ポイントとなる注目選手をご紹介したいと思います。

大会展望

初出場を果たした東京大会は、開催国枠での選出でしたが、今回は自力での初出場となりました。それだけに、今大会にかける選手たちの意気込みは相当なものでしょう。

日本の初戦は、9月1日(日)日本時間18:30キックオフのコロンビア戦です。
NHK Eテレにて生放送予定です。

IBSA世界ランキング

2024年1月現在の世界ランクは以下の通りです。

世界ランク
1位アルゼンチン
2位ブラジル
3位日本
4位タイ
5位中国
6位フランス
7位スペイン
8位モロッコ
9位メキシコ
10位イラン

日本は過去最高の3位 充分メダル圏内です。

2019年から2021年までは、12~13位というところでしたが、国際大会で良い成績を収めていたこともあり、2年前から4位に躍進、そしてついに今年はベスト3にランクインを果たしました。

パラリンピック・グループリーグ

グループAグループB
ブラジル(2)アルゼンチン(1)
中国(5)日本(3)
フランス(6)モロッコ(8)
トルコ(15)コロンビア(12)

大会は、グループ上位2か国が準決勝(グループB1位国×グループA2位国)、(グループA1位国×グループB2位国)に進出、勝ったチームが金メダルをかけて決勝を戦います。

日本は、苦手としているブラジル、中国とグループが分かれたことは、ラッキーでした。東京パラリンピックでも、両国には痛い目(0-4、0-2で、どちらも零封)に合っているからです。

ただ、強国と別れたからと言って油断はできません。

直前のジャパンカップ(7月開催)で、日本はモロッコに2連敗(決勝はPK戦の末の敗戦)、その前のワールドグランプリ(5月開催)では、準決勝でコロンビアに敗れているからです。

格下と侮って勝てる相手では全くありません。

ブラインドサッカーにおいては、上位10か国に明確な力の差はない、といって良いかもしれませんね。

ポイントとなる選手

川村怜選手

プロフィール

本名:川村怜(かわむら りょう)
生年月日:1989年2月13日(35歳)
出身地:大阪府東大阪市
身長/体重:169cm/62kg
背番号:10
所属:アクサ生命保険/品川CCパペレシアル
ポジション:FP(フィールドプレーヤー)

まずは、チームの絶対的な柱となるのが、エースナンバー10を背負う川村選手です。2013年に代表初選出、2016年からキャプテンを務め、今大会でももちろん、チームの仲間を率いて戦います。

陸上競技で鍛えた脚力と、豊富な運動量を武器にゴールを量産。とても全盲の選手とは思えない、変幻自在のプレーが魅力的な、頼れるキャプテンです。

後藤将起選手

プロフィール

本名:後藤将起(ごとう まさき)
生年月日:1985年4月9日(39歳)
出身地:広島県安芸
身長/体重:-/-
背番号:8
所属:双日シェアードサービス/アフィーレ広島BFC
ポジション:FP

比較的小柄でがっちりとした体格から、アグレッシブにゴールを狙う遅咲きのエースストライカー。

今年3月に代表デビューを果たすと、その大会の決勝で2ゴールを決め、いきなり大会MVP。続くワールドグランプリ2024では、大会通算4ゴールを決め、見事得点王に輝きました。

今大会でも、彼のゴールが勝利に結びつくような気がします。

佐々木ロベルト泉選手

プロフィール

本名:佐々木ロベルト泉(ささき ろべると いずみ)
生年月日:1978年5月2日(46歳)
出身地:ブラジル・サンパウロ
身長/体重:172cm/72kg
背番号:3
所属:品川CCパペレシアル
ポジション:FP

ブラジル・サンパウロ生まれの日系3世。父親を亡くし、家計を助けるために来日したものの、28歳のとき交通事故に逢い失明。

2009年、31歳で筑波大学に入学、ブラインドサッカーに出会い、当時の代表監督からの誘いで日本に帰化、そして代表入りしたという苦労人です。

強靭な肉体を持ち、ディフェンスにおいては身体を張って相手ボールを奪い、局面を打開するプレーが持ち味です。

国際大会での経験も豊富で、所属チームが一緒の川村選手との連携も見逃せません。

上記、3人がコメントする動画がこちら

左から、川村選手、後藤選手、佐々木選手です

佐藤大介選手兼コーチ

プロフィール

本名:佐藤大介(さとう だいすけ)
生年月日:1984年6月17日(40歳)
出身地:神奈川県横浜市
身長/体重:170cm/72kg
背番号:1
所属:たまハッサーズ
ポジション:GK

プレーコーチも務める日本の正ゴールキーパー。3月に行われたトーナメントでは、スーパーセーブを連発し、ベストGKの栄誉を贈られた佐藤選手ですが、最近は若い泉健也選手に守護神の座を譲ることが多く、今大会も補佐を務めるのではないかと思われます。

5人制のブラインドサッカーでは、ゴールキーパーだけは目が見える人(晴眼者または弱視者)が務めますが、その役割は、ただ単にシュートを止めるだけではなく、常にピッチの状況を把握し、チームへの情報伝達という重責を担わなければなりません。

相手は、視覚を完全に遮断されたプレーヤーですから、伝えるべき情報だけを瞬時に判断し、端的な言葉で相手に伝える必要があります。

声掛け一つで選手のプレーも大きく変わりますから、仲間との信頼関係も欠かせません。

「表彰台の上で喜ぶ仲間たちを、ちょっと離れたところから眺めたい」日本代表として10年以上ゴールを守り続けた佐藤選手は、パラリンピックでの夢をそう語っています。

まとめ

「視覚障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う社会の実現」

日本ブラインドサッカー協会の掲げるビジョンだそうです。

良いですよね。
めちゃめちゃ共感します。

健常者にとっては、なかなか障がい者の境遇が理解できず、ともすればトラブルにつながったりすることもままあるのが現状です。

そんな日常世界の垣根を超えて、障がい者と健常者が一つのチームでヒィフティに、お互いを信頼しあって勝利を目指す、なんて素晴らしいことでしょう。

ブラインドサッカーに限らず、パラリンピックの競技については、勝利やメダルにそれほどの意味はないと思っていましたが、

勝つことで絆が生まれる、信頼を強くすることが出来るブラインドサッカーを、心の底から応援したくなりました!

あ、ちなみに、現地・会場での応援は、プレーの妨げになるため声だし厳禁だそうです。
声出しは、テレビの前でお願い致します。

コメント

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